歯から考える、むし歯の予防
座間歯科医院 院長です🎤
前回お話した、むし歯になる理由について、今回は「歯」に関するところをお話したいと思います。
ここでは言う「歯」とは天然の歯を含む、お口の中の環境のことを指しています。
「歯の質(強さ)」、「歯の形」、「唾液」などの私たち一人ひとりが持っている条件があります。
それに対して様々な方法でむし歯を予防することができるのです
「歯の質について」
人間の歯の表面を構成するエナメル質は人体の中で一番硬く、鉄やガラスよりも硬いです。
むし歯菌が作る酸は、このエナメル質を化学的に溶かして穴をあけます。
歯を強くするためには、歯科医院での高濃度のフッ素塗布は、最も効果的だとされています
ご自宅で使用していただける低濃度のフッ素ジェルも効果があります。
当院でもご購入いただけますので、お気軽にお声がけください
「歯の形」
歯の形というものも、むし歯のなりやすさに影響を与えます。
例えば奥歯のかみ合わせの部分は、歯ブラシの毛先が入らないほどの溝があり、むし歯になりやすいです
特に歯が生えたばかりの小さなお子さんは、エナメル質の酸に対する抵抗力が弱いです。
そこで歯科医院ではむし歯になりやすい部分を、歯科用樹脂(プラスチック)で塞ぐ予防方法(フィッシャーシーラント)がおススメです
「唾液について」
唾液には、食事を食べやすくする、でんぷん質を分解する、口の中を洗い流して清潔にする、殺菌作用、口の中のpHを一定に保つなど、大切な役割があります
この唾液が少なくなると口の中が乾き気味になり、食物が歯についたままになり、むし歯や歯周病になりやすくなります。
私は小学校の歯科検診をしている中で、お口の中が乾いているお子さんが多いように感じています
昔は少し口を開けている間に、口の中が唾液でいっぱいになっているお子さんばかりでした。
しかし最近では口の中も、皮膚もカサカサのお子さんが多いです。
かつて唾液の量は一日1~1.5リットルほどと言われていたのが、今は0.8~1リットルほどと言われて、現代人の唾液の量は減少しているといわれています
原因としては色々ありますが、食生活が柔らかいものが増えて噛む回数が減少していることが関係しているようです。
水分が少なく硬い食べ物を食べるときは、よく噛み唾液をださなくては飲み込むことができません
柔らかな食べ物ですと、そのまま飲み込めますし、水や牛乳などで流し込むこともできます
そのような食生活の変化が、噛まない食生活に拍車をかけているのではないかと考えています。
唾液を出す方法としては、どのようなお食事でも軽い力で30回以上 左右均等にしっかりと噛み、ゆっくりと時間をかけて食べることが良いです
それでは、次回は「食物」についてお話したいと思います