歯周組織の構造

◆歯肉(歯茎):顎の骨(歯槽骨)を覆う、柔らかい組織。
◆歯槽骨(顎の骨):歯根を支える組織。
◆セメント質歯根の表面を覆う組織。
◆歯根膜:咬む力が歯槽骨に伝わる際にクッションの役割をする組織。
 ※歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜、これらをあわせて歯周組織と呼びます。

歯周病とは

歯周病はむし歯とならび、歯を失う原因となる2大疾患です。
歯周病とは歯周病の原因細菌により歯茎、歯根、歯槽骨、歯根膜といった歯周組織が壊されてしまう病気です。

日本人の20代で30%、40代で45%、60代で60%方が歯周病にかかっており、治療が必要な状態だとされています。
近年研究論文から、歯周病が糖尿病、心筋梗塞、脳こうそく、骨粗しょう症、誤嚥性肺炎、妊婦さんの早産との関連性があることも分かってきました。

痛みなどの強い自覚症状が少ないため、気づかないうちに歯周病が重症化することがありますので、歯科医院での定期検診やクリーニングをお勧めしています。

歯周病の進行

1 炎症が起きる歯周病細菌はプラークや歯石として歯周ポケット内で毒素をだし、歯周組織に害を与えています。
歯茎が赤く腫れてブヨブヨと炎症を起こした、歯肉炎になります。
2 血が出易くなる歯肉炎で弱った歯茎は、お食事や歯ブラシの時に歯茎から血が出やすくなります。
歯科医院での歯石除去、ご自宅でのプラークコントロールをしっかりと行うと、良くなることが多いです。
 3 歯並びが不安定に歯根膜や歯槽骨が破壊され、歯周ポケットが深い歯周病です。
歯が長くなったように感じたり、歯並びが不安定になります。
また歯周病細菌が作る物質には特有の臭いがあり、口臭の原因となります。
歯周病は歯ブラシが届かない歯周ポケット深くで進行するため、治療が必要です。
 4 歯が抜け落ちる重症の歯周病では歯石がついたまま炎症が続き、歯周ポケットは更に深くなります。
歯槽骨で歯を支えることができなくなり、最終的には歯は抜け落ちてしまいます。
一度壊されてしまった歯周組織は元通りには治りません。

歯周病のセルフチェック

まずは、歯周病のセルフチェックをしてみましょう。

<お口全体>
✓口臭を他人に指摘されたことがある、もしくは自分自身気になっている
✓起床時、口の中がネバネバになっている
✓歯みがきをした後、すすいだ水に血が混じっている、出血している

<歯ぐき>

✓歯ぐきが赤く腫れることがある
✓歯ぐきが下がり、歯が縦長になっている
✓歯ぐきを押すと、血や膿が出る

<歯>

・歯と歯のすき間に物が詰まりやすい
・歯が浮いているような感じがする
・歯並びが依然と変わった気がする
・歯が揺れている感じがする

【1~3個あてはまる方】
歯周病の可能性があります。
まだ軽度のうちに、歯科医院で治療を受けましょう。

【4~5個以上あてはまる方】
中等度以上に歯周病が進行している可能性が高いです。
すぐに歯科医院で歯周病の治療を受けましょう。

【ひとつもあてはまらない方】
無症状で歯周病が進行することも少なくありません。
年に1度は歯科医院で検診を受けましょう。

歯周病の原因

人間の口内には、約400~700種類の細菌があると言われています。

これらの細菌は基本的には無害ですが、歯磨きが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると、細菌がネバネバした物質を作り出します。
そしてその物質は歯の表面に付着していきます。

これがよく聞く歯垢(プラーク)です。
粘着性が強く、うがいをした程度で除去することはできません。

この歯垢1mgの中に、約10億個の細菌が住みついています。この歯垢が、むし歯や歯周病をひき起こすことになります。
その中でも、歯垢の中には特に歯周病をひき起こす細菌が多く存在しています。
歯肉に炎症をひき起こし、やがて歯を支えている骨を溶かしていきます。
ゆくゆくは歯を失う原因にもなってしまいます。

歯垢は、取り除かなければどんどん硬くなっていきます。
歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。

これはうがいどころか、ブラッシングでも取り除くことができません。
この歯石の中や周囲に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けていきます。

下記にあてはまる方は、歯周病になりやすい、進行が速い傾向にあるため、歯科医師に相談しましょう。

✓歯と歯ぐきの間に残された歯垢(プラーク)
✓喫煙
✓歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
✓不適合な冠や義歯
✓不規則な食生活
✓ストレス
✓全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
✓薬の長期服用
✓部分的に歯がない
✓両親が、若い頃から入れ歯だった
✓日常的に口呼吸をしている
✓免疫抑制剤の服用をしている、免疫低下状態である

歯周病の治療

歯周病治療の流れ

歯周病はその進行の度合いにより、いくつかの治療が適応されます。

1)基本治療

歯周病の進行の度合いに関係なく、まず初めに行われる治療が歯周基本治療といいます。

そもそもの原因となっている歯垢の除去、歯石の除去、歯の根の面の滑択化、咬み合わせの調整などのことを指します。

・プラークコントロール

歯垢の除去は別名でプラークコントロールといいます。

そのほとんどはご自宅でのセルフチェックですが、 場合によっては歯科医院で器械的に行うこともあります。

・スケーリングとルートプレーニング

歯の表面や根の表面の歯垢歯石を器械で取除くことはスケーリングといいます。

また、歯の表面がざらざらしたり、歯石で満たされていたり、毒素や微生物で汚染された表層を除去する方法はルートプレーニングといい、多くの場合スケーリングと同時に行われます。

また、歯周病の進行に伴い歯は動いてきますが、動いている歯で噛むとさらに負担が増すため、その負担を軽くするために歯を削るなどして咬み合わせの調整を行います。それでもぐらぐらして噛みづらい場合は歯科用の接着剤で隣の歯と接着し、ぐらぐらを抑えていきます。

これら基本治療により歯周組織が改善され、ポケットの深さが正常な状態(2~3mm程度)で維持されればメンテナンス(定期検診)に移行していきます。

2)外科治療

先述の基本治療でポケットの深さが改善されず、ポケット内で細菌が生息し、ブラッシングで除去できない、また歯周病がある程度進行してしまった、という場合は、外科的にポケットの深さを減らす手術をすることもあります。

また、特殊な材料を用いて、部分的に失われた骨を再生させる手術(再生療法)を行う場合もあります。

手術は、それぞれの病態にあった方法が適応されるでしょう。

歯周病の予防、正しいブラッシング

歯周病治療の流れ

歯周病はその進行の度合いにより、いくつかの治療が適応されます。

1)基本治療

歯周病の進行の度合いに関係なく、まず初めに行われる治療が歯周基本治療といいます。

そもそもの原因となっている歯垢の除去、歯石の除去、歯の根の面の滑択化、咬み合わせの調整などのことを指します。

・プラークコントロール

歯垢の除去は別名でプラークコントロールといいます。

そのほとんどはご自宅でのセルフチェックですが、 場合によっては歯科医院で器械的に行うこともあります。

・スケーリングとルートプレーニング

歯の表面や根の表面の歯垢歯石を器械で取除くことはスケーリングといいます。

また、歯の表面がざらざらしたり、歯石で満たされていたり、毒素や微生物で汚染された表層を除去する方法はルートプレーニングといい、多くの場合スケーリングと同時に行われます。

また、歯周病の進行に伴い歯は動いてきますが、動いている歯で噛むとさらに負担が増すため、その負担を軽くするために歯を削るなどして咬み合わせの調整を行います。それでもぐらぐらして噛みづらい場合は歯科用の接着剤で隣の歯と接着し、ぐらぐらを抑えていきます。

これら基本治療により歯周組織が改善され、ポケットの深さが正常な状態(2~3mm程度)で維持されればメンテナンス(定期検診)に移行していきます。

2)外科治療

先述の基本治療でポケットの深さが改善されず、ポケット内で細菌が生息し、ブラッシングで除去できない、また歯周病がある程度進行してしまった、という場合は、外科的にポケットの深さを減らす手術をすることもあります。

また、特殊な材料を用いて、部分的に失われた骨を再生させる手術(再生療法)を行う場合もあります。

手術は、それぞれの病態にあった方法が適応されるでしょう。